フリーエージェント社会の到来
フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか
- 作者: ダニエルピンク,玄田有史,Daniel H. Pink,池村千秋
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2002/04
- メディア: 単行本
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最近、新装版が出ましたがこちらを読みました。
この本が発売されたのが、10年以上前ですが、今やっと日本も「フリーエージェント」とか「フリーランス」という言葉をよく聞くようになったと思います。
10年以上前の本ですが、読んでみて勉強になりました。
その中から印象に残った部分を書いていきます。
フリーエージェント登場の背景
1⃣従来の労使間の社会的契約、すなわち従業員が忠誠心と引き換えに会社から保障してもらうという関係が崩壊した。
2⃣生産手段が小型で安価になって個人で所有できるようになり、操作も簡単になった。
3⃣繁栄が社会の広い層に行き渡り、しかも長期間続いている結果、生活の糧を稼ぐことだけが仕事の目的ではなくなり、人々は仕事にやりがいを求めるようになった。
4⃣組織の寿命が短くなり、人々は勤め先の組織より長く生きるようになった。
上記のことで、フリーエージェントが登場したようです。
上記のことを考えると、フリーエージェントが登場するのは、必然といえますね。
フリーエージェントとなる目的
フリーエージェントにとって重要なのは、安定より自由。
フリーエージェントの労働倫理を構成するのは、「自由」「自分らしさ」「責任」「自分なりの成功」
組織に雇われずに働くことを決めた最大の動機は、金ではなし。回答者の九割は、「自分の優先順位に従って、他人の指示を受けずに行動したい」というのを最大の動機としてあげている。
フリーエージェントとなる動機は、やはり「自由」があげられています。また、「他人の指示を受けずに行動したい」のが動機となっているようです。
自分らしさを追求することでやりたい仕事をする。また、働く時間を縛られることなく、ライフスタイルにあわせて働くことができるからのようです。
タテからヨコの忠誠心へ
自分の人的な資源をひとつの会社にすべてをつぎ込むのではなく、複数の顧客やプロジェクトに投資する。保障だけでなく、忠誠心も様変わりした。上司や組織に対するタテの忠誠心に代わって、ヨコの忠誠心が生まれた。こうして、フリーエージェントは、機会(金、学習機会、人脈)と引き換えに、能力(商品、サービス、アドバイス)を提供するようになった。
フリーエージェントの人とのつながり
フリーエージェント達は、ひたすら孤独に耐えるのではなく、様々な小規模グループをつくっている。
フリーエージェント・ネーション・クラブは、会員がときどき集まって、お互いにビジネス上のアドバイスをしたり、助け合ったりするグループ。アメリカでコミュニティーが崩壊しており、フリーエージェントがその傾向を加速しているという主張に疑問を呈するものだ。コミュニティーは死んだわけではない。コミュニティーの性格が変わっただけだ。
ヨコへの忠誠心が誕生し、ヨコへのつながり形成されているようです。
フリーエージェントは、グループを形成しアドバイスをしたり、助けあったりしているようです。
フリーエージェントにとってヨコのつながりで非常に重要なことがわかります。
フリーエージェントが登場した背景をみると、なるほどなって思いました。
これからは、日本でもフリーエージェントがますます増えてくると思います。
フリーエージェントとして、一人で仕事するのではなくヨコのつながりをつくり、助けあっていくことが必要になることがわかりました。
会社に縛られる働き方にうんざりしている人や、ライフスタイルを大切にしたい人には勇気づけられる一冊だと思います。
また、これからの社会の変化のヒントとなるので、一度読んでおくとよい本だと思います。